イタリアの高速列車フレッチャロッサ 最高のサービス
※イタリアの高速列車フレッチャ・ロッサ(FrecciaRossa)のエグゼクティブ車両
■ □ ■ □ 目 次 ■ □ ■ □
・ フレッチャロッサ☆イタリアの高速列車
・ エグゼクティブ・クラスの車両と座席
・ 座席での無料サービス☆エグゼクティブ
・ 乗車チケットと料金☆エグゼクティブ
・ ビジネス・クラスの座席仕様とサービス
・ プレミアム・クラスの座席仕様とサービス
・ スタンダード・クラスの座席仕様とサービス
・ イタリアの列車チケットの買い方
・ 列車の乗り方 多額の罰金に要注意!
・ プラットフォームに手前にある検札ゲート
イタリアの高速列車フレッチャロッサ
※フレッチャロッサ☆イタリアの高速列車
◆フレッチャロッサ(FrecciaRossa)は、「赤い矢」という意味のイタリアのトレニタリア(TRENITALIA)が運行する高速列車(全席座席指定)で、北部のトリノ、ミラノ、ヴェネツィアから、中部のフィレンツェ、ボローニャ、南部のローマ、ナポリ、サレルノまで、イタリアを縦断走行している。
◆フレッチャロッサの特徴は、車両のランクが4クラスあり、
1等 エグゼクティブ・クラス(EXECUTIVE)
1等 ビジネス・クラス(BUSINESS)
2等 プレミアム・クラス(PREMIUM)
2等 スタンダード・クラス(STANDARD)
の順に分かれていて、クラスによって座席の幅や仕様、接客サービス内容が異なる。
◆フレッチャロッサの車体デザインは、あのフェラーリやマセラッティ、アルファロメオをデザインしたカー・デザイン会社ピニンファリーナで、近未来的な流線型の赤と白を基調としている。フレッチャロッサにはETR500型とETR1000型という2種類の列車がある。
エグゼクティブ・クラスの車両と座席☆フレッチャロッサ
※1等のエグゼクティブ(EXECUTIVE)☆フレッチャロッサ(2020.1月撮影)
◆フレッチャロッサの中でも、特に圧巻なのが1等のエグゼクティブ・クラス(EXECUTIVE)。EXECUTIVEは、1つの車両に座席数は10席しかなく、座席は幅74cmの全席一人掛け革張りシートで、リクライニングは138°まで倒すことができる。さらに座席では、ウエルカムドリンクや食事を無料で、レストラン・スタッフが提供サービスしてくれる。また駅ではフレッチャ・クラブ(FrecciaClub)と呼ばれる駅の専用ラウンジも無料で利用することができる。
※1等エグゼクティブ(EXECUTIVE)☆フレッチャロッサ(2015.9.28撮影)
◆エグゼクティブ(EXECUTIVE)は、フレッチャロッサの編成車両の中で1つの車両だけを使用し、先頭の1号車(Carrozza1)にある。手荷物やスーツケースは、車両端や座席上に手荷物置場があるが、座席周りもゆったりしているので置くこともできる。
※エグゼクティブ・クラス(EXECUTIVE)の車両内の表示
◆「最高のサービスを提供するエグゼクティブ」といわれているだけあり、エグゼクティブ・クラスの車両の座席は、横に1+1の配列で、席数10席、座席幅74cm、シートピッチ(前後の間隔)は1m50cm、リクライニングは138°まで倒すことができ、レグレストも45°まで上がる。ゆったりとした配置になっているので、プライバシーが保たれ、足や身体を伸ばしてベットで寝ているかのように寛げる。
※エグゼクティブ・クラスの座席 一人掛け革張りシートのレッグレスト付き
◆座席ナンバーはアームレストに表示されている。座席のアームレストには、電動式の各部の調整(Wi-Fi設備含む)があり、座席を回転させることもできる。この車両にはエグゼクティブ利用者向けの会議室もあり、インターネットに繋ぐことで、テレビ会議もできる。
※アームレストに表示されている座席ナンバー エグゼクティブ・クラス
座席での無料サービス☆エグゼクティブ
※無料サービスされたGRISBIのレモン味クッキーとペーパーおしぼり
◆無料サービスのウエルカム・ドリンクとスナック(菓子)☆エグゼクティブ
エグゼクティブは、発車と同時に列車のスタッフ(レストラン・スタッフ)が、乗客のところにウェルカムドリンクとスナックのオーダーを聞きに来る。そして、注文したドリンクとスナックが無料でサービスされる。この日のスナックはGRISBIのクッキーで、チョコレート・クリーム味とレモン・クリーム味があった。
※食事・ドリンク・デザートのEXECUTIVEメニュー
◆無料サービスの食事☆エグゼクティブ
飲み物がサービスされたあとは、スタッフがエグゼクティブに乗車している全員の客に「どこまで乗車するのですか」と聞きに来る。「ナポリまで」と答えたら(到着までの36分)、「Oh,Mamma mia!(おー、なんてことでしょう!)」と言って慌てていた。というのも、その後メニューを持ってきて、食事のオーダーを取って、準備して、提供しなければならなかったからだった。エグゼクティブでは、EXECUTIVE利用客全員にメインディッシュ、スナック、デザート、ミニボトル入り飲料水、ワインなどを、無料で座席にて、スタッフによる提供サービスを受けることができる。
※食事・ドリンク・デザートのEXECUTIVEメニュー
◆無料サービスの食事他☆エグゼクティブ
このEXECUTIVEメニューは、朝食、昼食、夕食と、乗車した時間帯に分かれている。それぞれの時間帯のメインディッシュ料理があり、アンティパスト(つまみ)の種類も多く、好みの料理を選ぶことができる。スタッフの女性は、乗車時間が36分と短かい私を優先的に準備して提供してくれた。調理時間のかかる料理は頼めなかったが、長い距離を乗車する場合は、高級レストランなみの料理を無料で食べることができる。スタッフの接客や提供してくれる料理等のグレードも高く、凄すぎる!フレッチャロッサのエグゼクティブ・クラス!
※注文したプロシュート、モッツァレラチーズ、白ワイン☆エグゼクティブ
◆急いで用意してくれたプロシュートとモッツァレラチーズ、そして白ワイン。列車で食べる料理なので、味までは期待していなかったが、プロシュートは塩加減が丁度よく、味わいも深かったし、モッツァレラチーズは上質の水牛のモッツァレラチーズで、なめらかで口の中でとろけ、味わい深く、驚くほど美味しかった。ワインは何種類もあるので、好みのワインを選べる。ワイン以外ではスパークリング・ワイン、ビールなどを選ぶこともできる。
エグゼクティブの乗車チケットと料金☆フレッチャロッサ
※イタリアの高速列車FrecciaRossaのEXECUTIVEチケット(2015.9.28)
◆フレッチャロッサのエグゼクティブ(EXECUTIVE)のチケットは、ネットの日本語版予約サイトからは購入できない。イタリア語・英語版サイトからはEXECUTIVEも購入できる(他のクラスも購入可能)。またはイタリアの駅のチケット売り場で購入する。
◆上記写真のエグゼクティブのチケットは、ナポリのチケット売り場で出発日の4日前に購入したもので、サレルノ ⇒ ナポリの区間、EXECUTIVEクラスで料金が21ユーロだった。ちなみに2020年12月現在、下記のイタリア語・英語版サイトで調べたところ、サレルノ ⇒ ナポリ区間のEXECUTIVEチケット料金は65ユーロだった。たった数年で、この価格の差を考えると、イタリアのチケット売り場で出発日の数日前に購入する方が安いのかもしれない。当時はチケット売場のスタッフに「もっと安い席が空いているよ」とかなり驚かれたが、EXECUTIVEに乗っておいて大正解だった。
・時刻表や料金の確認、チケットの購入は下記サイトで、
●トレニタリア(Trenitalia)の日本語版公式サイトは Click here »
●Trenitaliaのイタリア語・英語版公式サイトは Click here »
ビジネス・クラスの座席仕様とサービス☆フレッチャロッサ
※1等ビジネス・クラスの車両☆フレッチャロッサ
◆フレッチャロッサのビジネス・クラス(Business)の仕様は、座席が横に1+2配列で、シートピッチ(前後の間隔)は1m、座席幅69cmの革張りシート、リクライニングは109°まで倒すことができる。座席ナンバーは窓ガラスの上に表示されている。
◆車両は2号車(Carrozza2)と3号車(Carrozza3)を使用し、携帯電話の通話や会話が禁止されているサイレント・エリアが設置されている。また3号車には車椅子スペースが設置されていて、ドアには車椅子を乗降するための幅広のリフトが設置されている。トイレも車椅子対応のものになっていて、介助者なしでも利用できるよう配置されている。その他、Wi-Fi設備あり、スーツケース等は車両端に手荷物置場があり、座席下に置くことができる。
※ビジネス・クラスの座席 69cm革張りシート☆フレッチャロッサ
◆無料サービス(土曜日を除く)☆ビジネス・クラス
座席での無料サービスは、ウェルカムドリンクとスナックの提供を受けることができる。エグゼクティブのような座席での食事サービスはない。ビストロ・バー(3号車)の利用は可能で、フード、スナック、デザート、ドリンクなどを販売している。駅の専用ラウンジ「フレッチャ・クラブ(FrecciaClub)」は無料で利用できる。
プレミアム・クラスの座席仕様とサービス☆フレッチャロッサ
※2等プレミアム・クラスの車両☆フレッチャロッサ
◆フレッチャロッサのプレミアム・クラス(Premium)は、座席が横に2+2配列で、グレーの革製で2等スタンダード・クラスより、やや広い作りになっていて、ボックス座席が多く配置されている。座席ナンバーは窓ガラスの上に表示されている。その他、Wi-Fi設備あり、スーツケース等は車両端に手荷物置場があり、座席の下にも置くことができる。車両は4号車(Carrozza4)を使用している。
※2等プレミアムの座席☆フレッチャロッサ
◆無料サービス(土曜日を除く)☆プレミアム・クラス
座席での無料サービスは、ウェルカムドリンクとスナックの提供を受けることができる。エグゼクティブのような座席での食事サービスはない。ビストロ・バー(3号車)の利用は可能で、フード、スナック、デザート、ドリンクなどを販売している。駅の専用ラウンジ「フレッチャ・クラブ(FrecciaClub)」は利用できない。
スタンダード・クラスの座席仕様とサービス☆フレッチャロッサ
※2等スタンダード・クラスの車両☆フレッチャロッサ
◆フレッチャロッサのスタンダード・クラス(Standard)は、座席が横に2+2配列で、2等プレミアム・クラスよりやや狭く、ボックス座席が多く配置されている。座席ナンバーは窓ガラスの上に表示されている。その他、Wi-Fi設備あり、スーツケース等は車両端に手荷物置場があり、座席の上の棚にも置くことができる。車両は5号車(Carrozza5)から8号車(Carrozza8)までの4両を使用している
※2等スタンダードの座席☆フレッチャロッサ
◆無料サービス(土曜日を除く)☆スタンダード・クラス
座席でのウェルカムドリンクのサービスなし。ワゴンサービスによるスナックやドリンク(FOOD&BEVERAGE)の販売がくるので購入することはできる。ビストロ・バー車両の利用はできない。駅の専用ラウンジ「フレッチャ・クラブ(FRECCIAClub)」の利用もできない。このように全ての特典は受けることができない。
イタリアの列車チケットの買い方
イタリアの列車チケットを買う方法は大きく分けて3つあり、買い方も日本とは異なる点があるので注意が必要。また鉄道会社はイタリアの旧国鉄だったトレニタリア(TRENITALIA)を利用するのが一般的で、路線はイタリア全土に網羅されていて、料金もリーズナブル。高速列車からローカル列車、夜行列車まであるので、用途や価格に合わせて利用するのが便利。列車チケットの買い方詳しくは Click here »
イタリアの列車の乗り方 多額の罰金に要注意!
イタリアの列車の乗り方は日本の列車の乗り方と大きく異なる点が多い。鉄道駅は改札がなく、知らないと多額の罰金を取られるシステムもある。利点は運賃がリーズナブルで、高速列車が網羅されアクセスがよく便利。列車の種類と路線、列車の乗り方、チケットは刻印機で打刻、車両番号・座席番号・列車チケットの確認方法など写真満載でナビゲート。列車の乗り方詳しくは Click here »
プラットフォームに手前にある検札ゲート
※ミラノ中央駅に設置された検札ゲート
◆ミラノやローマ、フィレンツェなど一部の駅には、数年前から検札のためのゲートができた(2019年現在)。このゲートには駅のスタッフがいて、チケットを持っているかをチェックしている。チケットを見せてゲートを通り、プラットフォームに入る。
◆この検札ゲートから入っても刻印機で打刻する義務は必要。ただしフレッチャロッサなどのように全席指定席のチケットは、刻印機での打刻する必要はない。このゲートが出来たおかげで、ジプシーやホームレスはプラットフォームに入ることができなくなり治安は良くなった。
※ミラノ中央駅に設置された検札ゲート
◆イタリアのフレッチャロッサ(FrecciaRossa)は、トレニタリアが運行する最高時速360kmの高速列車で、イタリアの北から南の主要都市を縦断して走行している。フレッチャロッサの特徴は、車両が4クラスに分かれていて、それぞれクラスによってサービスが異なること。特に圧巻なのは最高級クラスのエグゼクティブ(EXECUTIVE)。エグゼクティブは、1車両に座席は10席だけしかなく、全席一人掛けの革張りシートのリクライニング式。さらに食事やドリンクやアルコールまで、座席で無料サービスを受けることができ、贅沢な至福の時間を過ごすことができる。