レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci

Leonardo da Vinci
万能の天才 レオナルド・ダ・ヴィンチ
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)は、ルネサンス期を代表する博学者であり、「飽くなき探究心」と「尽きることのない独創性」を兼ね備えた人物といわれている。そしてミケランジェロやラファエロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠といわれている。
◆レオナルド・ダ・ヴィンチのレオナルドは「姓」で、ダ・ヴィンチは、「ヴィンチ(出身の村)の」を意味している。レオナルドは幼少期を村の自然(川、樹木、生物)を友にして、研究心を育んで過ごしたと言われている。その研究心の成果が「遠近法」や「スフマート技法」等、作品に多大に表現されている。
◆レオナルドは多才な人物で、存命中から現在にいたるまで、画家としての名声がもっとも高いといわれているが、現存するレオナルドの絵画は、『モナ・リザ』『最後の晩餐』など15点程度と決して多くはない。これはレオナルドが完全主義者で何度も自身の作品を破棄したこと、新たな技法の実験に時間をかけていたこと、一つの作品を完成させるまでに長年にわたって何度も手を加える習慣があったことなどによると言われている。
◆67歳で死去するまで、絵画以外にも武器の研究開発、太陽エネルギーや計算機の理論、解剖学、土木工学、光学、流体力学の分野でも重要な発見をしていた。しかしレオナルドがこれらの発見を公表しなかったために、後世の科学技術の発展に直接の影響を与えることはなかった。

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ダ・ヴィンチの作品・サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会・ミラノ

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
  • 『最後の晩餐』(1495〜1498年) サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会
  • ◆「最後の晩餐(L’Ultima Cena)」は、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂を飾る壁画として描かれた。壁画は通常フレスコで描くところ、レオナルドは「最後の晩餐」をテンペラで描いために、修道院(現:教会)の食堂の湿気をたえず吸収してしまったことや1943年に連合軍の空爆によって建物が破壊されて構造体が大打撃を受けたことなどで、見る影もなく悲惨な運命を辿ってしまった。しかし20世紀の修復という科学によって、現在は真のレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は復活した。
  • ◆「最後の晩餐」は、細部ににじみ出るレオナルドの思索の軌跡が表現されている。①使徒それぞれの思惑や感情を表す“魂の動き”②イエスや使徒に光輪はなく、イエスの背景の窓から差し込む光、遠近法により構成された自然主義的な描写③テーブルの上の魚、クロスの結び目、テーブルクロスやタペストリーの柄、比較線が描かれた右足など、ディテールへのこだわり。「最後の晩餐」はドラマティックな一瞬を切り取った構図、使徒一人一人の“魂の動き”を描き出す手腕、現実の食堂から続いているかのように描かれた仮想空間の演出といった、レオナルドの神技が宿っている。

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・ルーヴル美術館・パリ

レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
『モナ・リザ』(1503〜1519年)
『モナ・リザ(La Gioconda)』(ラ・ジョコンダ)は、レオナルドが16世紀に描いた小規模な肖像画で、世界で最も有名な絵画作品といわれている。モデルの詳細については様々な説があるが、もはやそれ程重要ではなく、長年の探求の末見出された理想の姿、あるいは世界の真理を、いかにレオナルドが一枚の絵に落とし込むに至ったかだと言われている。
◆『モナ・リザ』は、描かれている女性が浮かべているとらえ所のない微笑が高く評価されている。口元と目に表現された微妙な陰影が、この女性の謎めいた雰囲気をもたらしている。この微妙な陰影技法は「スフマート」と呼ばれている。
◆『モナ・リザ』の特徴は、飾り気のない衣装、うねって流れるような背後の風景、抑制された色調、極めて高度な写実技法などが挙げられる。これらの特徴は顔料に油絵の具を使用することによってもたらされたものだが、絵画技法はテンペラと同様の手法が用いられており、画肌表面で顔料を混ぜ合わせた筆あとは殆ど見られていない。

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの作品

  • 『岩窟の聖母(Vergine delle Rocce)』は、ほぼ同じ構図、構成で描かれた2点の作品があり、最初に描かれたといわれる作品はルーヴル美術館が、後に描かれたといわれる作品はナショナル・ギャラリーが、それぞれ所蔵している。
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・ルーブル美術館・パリ
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
『岩窟の聖母』(1483〜1486年)
◆どちらの『岩窟の聖母』にも、聖母マリアと幼児キリスト、幼い洗礼者ヨハネと天使が岩窟を背景として描かれている。二つの作品の構成における重要な相違点として、画面右の天使の視線の向きと右手の位置が挙げられる。その他の細かな相違点には、色使い、明るさ、植物、スフマートと呼ばれるぼかし技法の使い方などがある。
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・ナショナル・ギャラリー・ロンドン
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
『岩窟の聖母』(1495〜1508年)
◆写真上の『岩窟の聖母』は、1483年にミラノで制作依頼を受けて描かれた。しかしながら、何らかの理由でレオナルドは、この作品を密かに別人に売却し、後に写真下『岩窟の聖母』を描き直してミラノへと引き渡したと考えられている。内容が酷似した作品が、なぜ2点制作されたのかについては、様々な説が存在している。ルーブル美術館所蔵の写真上『岩窟の聖母』は、レオナルドが創始し完成したと言われているスフマート技法を完璧に例として示している作品であるとも言われている。

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 レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・ルーブル美術館・パリ

レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
※写真クリックで拡大
『洗礼者ヨハネ』(1513〜1516年)
◆レオナルドの最晩年の作品とされる「洗礼者聖ヨハネ(San Giovanni Battista)」は、「モナリザ」、「聖アンナと聖母子」とともに生涯手元に残した作品。レオナルドは、晩年期、失意の中ローマを去り、フランソワ一世の招きによりフランスへ向かい、同地で「洗礼者聖ヨハネ」を描いた。
◆モナリザを思わせる「洗礼者聖ヨハネ」の端正な顔立ちと微笑みは、レオナルドが同性愛者だったという推測に基づき、寵愛していた弟子ジャン・ジャコモ・カプロッティ(通称サライ)をモデルにしたという説もある。注文された形跡はなく、レオナルド本人が自ら望んで描き始め、レオナルドの思索が存分に反映された作品と言われている。

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・ウフィツィ美術館・フィレンツェ

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ作品
  • 『受胎告知』(1472〜1475年)
  • ◆レオナルド初期の頃の作品「受胎告知(Annuciazione)」は、予期せぬ天使の訪れで読書を中断させられたマリアの右手は、今まで読んでいた聖書に置かれ、左手は歓迎あるいは驚きを意味する立てた状態で描かれている。冷静ともいえるこの若きマリアのポーズは、神の母たる役割に服従するのではなく、自信に満ちて受け入れることを意味している。若きレオナルドはこの『受胎告知』でマリアを神格化せずに、人間の女性として描いた。これは神の顕現において人間が果たす役割を認識していることを表している。
  • ◆「受胎告知」は、初期の頃の作品でありながらレオナルドの研究心と観察眼が、天使の羽根、書見台や植物などの表現に明確に現れている。

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