カピトリーニ美術館の見どころとアクセス ローマ
※ローマの7つの丘でも最も高いカピトリーノの丘に建っているカピトリーニ美術館
■ □ ■ □ 目 次 ■ □ ■ □
・ カピトリーニ美術館のチケット、料金、時間
・ 入場方法と見学順路
・ カピトリーニ美術館の見どころ
・ コンセルヴァトーリ博物館
・ カピトリーナ絵画館
・ パノラマビュー・ポイントとカフェテラス
・ タブラリウムとパノラマビュー・ポイント
・ 新宮 カピトリーニ美術館内
・ カピトリーニ美術館の出口
・ カピトリーニ美術館へのアクセス
・ カピトリーニ美術館MAP
カピトリーニ美術館のチケット、料金、時間
※カピトリーニ美術館の入口と出口(カピトリーニ美術館公式サイトより)
◆カピトリーニ美術館(Musei Capitolini)は、ミケランジェロが設計したカンピドーリオ広場を囲むように右側からカピトリーニ美術館(コンセルヴァトーリ博物館・カピトリーナ絵画館)、中央にローマ市庁舎、左側に新宮の建物がコの字型に建っている。美術館の内部は複雑な構造になっていて、コンセルヴァトーリ博物館・カピトリーナ絵画館、新宮とローマ市庁舎の3つの建物が地下連絡通路によって繋がっている。
◆カピトリーニ美術館の入口(Entrata=Ingresso)は、広場右側のコンセルヴァトーリ博物館やカピトリーナ絵画館が入っているカピトリーニ美術館(写真A)から入る。また出口は、広場左側にある新宮(写真B)から出るようになっている。
※カピトリーニ美術館のチケット
カピトリーニ美術館
●開館日時 月曜日~日曜日 9:30 〜 19:30(入館ラスト18:30)
●休館日 1月1日、5月1日、12月25日
●料 金 15ユーロ
※カピトリーニ美術館のネット予約は、Click here »
●所在地 Piazza del Campidoglio, 1, 00186 Roma, Italia
●電 話 +39 06 0608
●公式HP カピトリーニ美術館の公式サイトはClick here »
●開館日時、アクセス方法の公式サイトの情報は、Click here »
入場方法と見学順路
※カピトリーニ美術館のフロアー案内ボード
◆カピトリーニ美術館の入口を入ると、チケット売場、クローク(荷物預り所)、ブック・ショップがあり、階段を上がり見学を開始する。チケットはその場で購入できる場合もある。見学の時間制限にはない。
◆カピトリーニ美術館の見学順路は、入場 → コンセルヴァトーリ博物館(2階) → カピトリーナ絵画館(3階) → タブラリウム(地下連絡通路) → 新宮(別館)。複雑な構造になっているので間違えないように注意したほうがよい。 ※見学の際に1箇所から2箇所で、チケットの提示を求められることがあるのでチケットは紛失しないように保管。
◆イタリアのフロアー案内ボードは日本とは異なり、0(1階)がPianterreno、1(2階)がPiano Primo、2(3階)がPiano Secondo、地下がPiano Sotterraneoの意味。その他、Ascensoreはエレベーター、Terrazza Panoramicaはパノラマ写真撮影に適したテラスまたは屋上、Libreriaは本屋、Bagni(Bagno)はトイレの意味。
カピトリーニ美術館の見どころ
※カンピドーリオ広場にあるマルクス・アウレリウス帝の騎馬像(レプリカ)
◆カピトリーニ美術館の誕生は、1471年に教皇シクストゥス4世によって建てられ、ローマの人々に大きな象徴的価値のある銅像コレクションが展示された。一般市民に公開された美術館としては、世界最古の美術館といわれている。
◆カピトリーニ美術館は見どころも多く、コンセルヴァトーリ博物館には「マルクス・アウレリウス帝の騎馬像」のオリジナル、「とげを抜く少年」、ローマの建国伝説に関わる有名なブロンズ像「カピトリヌスの雌狼」、絵画館にはルーベンスの作品「ロムルスとレムス」、カラヴァッジョの作品「洗礼者ヨハネ」、「女占い師」、新宮には数多くの彫像と古代からルネッサンスまでの収蔵品が展示されているので、ローマの歴史を知ることができる。
◆ローマの7つの丘の中で最も高いカピトリーノの丘にあるカピトリーニ美術館は、フォロ・ロマーノやローマの町が一望できるパノラマビュー・ポイントがあるので必見!
コンセルヴァトーリ博物館
※マルクス・アウレリウス騎馬像のオリジナル(左右からのアングル) 第16室
◆カピトリーノ美術館のPiano Primo(日本の2階)には、コンセルヴァトーリ博物館(Museo Conservatori)がある。この博物館の自然光あふれる第16室には、有名な彫刻「マルクス・アウレリウス騎馬像(Statua Equestre di Marco Aurelio)」のオリジナルや、「コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(Testa Bronzea di Costantino)」が展示されている。
※馬を襲うライオン 第16室
※コンスタンティヌス帝の巨像頭部と手、足 第16室
◆第8室にはブロンズ像「とげを抜く少年(Spinario)」、第9室には「カピトリーノの雌狼(Lupa Capitolina)」が展示されている。これらの作品はかってラテラーノ宮に保管されていたが、1471年に教皇シクストゥス4世が、ローマ市民に寄付するために返還させたといわれている。
※とげを抜く少年 第8室
※カピトリーノの雌狼 第9室
◆コンセルヴァトーリ博物館の入口右側にある第4室には、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニと弟子たちによって制作された「ウルバヌス8世の像(Statua Urbano Ⅷ)」とアレッサンドロ・アルガルディの作品「イノケンティウス10世の像(Statua di Innocenzo Ⅹ)」、第10室にはベルニーニの作品「メドゥーサ(Medusa)」が展示されている。
※ウルバヌス8世の像、イノケンティウス10世の像 第4室
※メドゥーサ 第10室、「カリュドーンの猪」の彫刻入りの石棺
◆コンセルヴァトーリ博物館には、その他多数の彫刻やブロンズ製の像、馬車、陶器などが展示されていて、かつての古代ローマの技術水準の高い文化を目にすることができる。
※競技用馬車、ブロンズ製の馬の像
※陶器、作品名不明の像
カピトリーナ絵画館
※カピトリーナ絵画館
◆カピトリーニ美術館のPiano Secondo(日本の3階)にあるカピトリーナ絵画館(Pinacoteca Capitolina)は、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、ルーベンスなど、16世紀から18世紀の絵画が展示されている。数多くの絵画が展示されているので見ごたえがある。
※ルーベンスの作品「ロムルスとレムス」 1612年 28室
◆第28室には、ピーテル・パウル・ルーベンスの作品「ロムルスとレムス(Romolo e Remo)」が展示されている。前王の娘レアと軍神マルスとの間に生まれた双子のロムレスとレムスは、王アムリウスによって川に捨てられてしまい、雌狼によって育てられ、やがて羊飼いによって発見されるという、古代ローマ建国神話のワンシーンをルーベンスが描いた作品。
※ヴェロネーゼの作品「エウロパの掠奪」 1580-1585年 26室
◆第26室にはパオロ・ヴェロネーゼの作品「エウロパの掠奪(Rotto d’Europa)」が展示されている。テュロスの美しい王女エウロパを見た全能の神ゼウスが一目で恋に落ち、彼女を誘惑するために自身を白い牡牛の姿に変え、エウロパが侍女達と花を摘んでいるところに近づき、白い牡牛を見つけたエウロパがその背にまたがるという、ギリシャ神話のワンシーンをヴェロネーゼが描いた作品。このシーンの後、白い牡牛に姿を変えたゼウスは、エウロパをさらい海を渡ってクレタ島へと連れ去ったという。
※カラヴァッジョの作品「洗礼者ヨハネ」 1602-1603年 30室
◆第30室にはミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョの作品「洗礼者ヨハネ(San Giovanni Battista)」が展示されている。この洗礼者ヨハネは、ボルゲーゼ美術館に展示されている「洗礼者ヨハネ」と同じように本来ヨハネが持つべき十字架の杖や子羊がなく、角の生えた牡羊と薪のような木が描かれている。
※カラヴァッジョの作品「女占い師」 1595年 30室
◆第30室には、カラヴァッジョの初期の作品「女占い師(La Buona Ventura)」も展示されている。カラヴァッジョは「女占い師」を翌年も描いているが、その作品は現在ルーブル美術館が収蔵している。この時期のカラヴァッジョは、風刺画を多く描いている。
※ティツィアーノの作品「キリストの洗礼」 1511-1512年 30室
◆20代のティツィアーノ・ヴェチェリオが、パドヴァかヴェネツィアにいた頃に描いたといわれている、ティツィアーノの初期の作品「キリストの洗礼(Battesimo di Cristo)」も展示されている。
パノラマビュー・ポイントとカフェテラス
※カピトリーニ美術館のカフェテラスのパノラマビュー・ポイント
◆コンセルヴァトーリ博物館やカピトリーナ絵画館が入っているカピトリーニ美術館の屋上にはカフェテラスがあり、ローマの町が一望できるパノラマビュー・ポイントになっている。
◆カピトリーニ美術館は広いので、見学に疲れたらカフェテラスへ行って、ローマの素晴らしいパノラマを楽しみながらのカフェ・タイムもお勧め。カフェテラスにはドリンク以外、軽い食事、デザートなどもある。
◆コンセルヴァトーリ博物館やカピトリーナ絵画館の見学後は、エレベーターで地下へ向かい、地下通路のタブラリウム(ローマ市庁舎下)へ行くと、フォロ・ロマーノを一望できるパノラマ・ビューポイントがある。
※カピトリーニ美術館のカフェテラス、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂(パノラマビュー)
タブラリウムのパノラマビュー・ポイント
※カピトリーニ美術館のタブラリウムからのパノラマビュー・ポイント
◆タブラリウム(公文書館)は、カピトリーニ美術館(コンセルヴァトーリ博物館やカピトリーナ絵画館)と新宮を地下で結ぶ連絡通路で、このタブラリウムの上はローマ市庁舎が建っている。タブラリウムからは、フォロ・ロマーノの遺跡を間近で見下ろすことができる展望台になっていて、素晴らしいパノラマビューが眼下に広がる。
◆タブラリウムは、紀元前78年に造られたローマ公文書館であったが、その後は牢獄や倉庫として使われていた。現在でも地下には「マメルティーノの牢獄」の遺構があり、見学することができる。
◆新宮へ向かうには、地下のタブラリウムの端の出口からは出ずに、石碑ギャラリーまで戻って、タブラリウムを背にして右方向に行くと、新宮へ行くことができる。
※タブラリウムからのフォロ・ロマーノのパノラマビュー・ポイント
新宮 カピトリーニ美術館内
※新宮の彫刻 カピトリーニ美術館
◆新宮(Palazzo Nuovo)は、コンセルヴァトーリ博物館やカピトリーナ絵画館の入った建物に対面するかたちで1663年に建てられた博物館。ギリシャ彫刻や古代ローマ時代の偉人、詩人、哲学者、学者の彫像、石棺など数多の彫刻が展示されている。※新宮へは地下連絡通路を通って行く。
※マルフォーリオの像、カピトリーノのヴィーナス(カピトリーニ美術館公式サイトより)
◆新宮の41室にある「マルフォーリオの像(La statua di Marforio)」は、本来は川の神を擬人化した彫像だが、庶民が法王庁に対して、不満や意見など告発文をマルフォーリオの像に貼ることが許されてからは、「物言う像」という別名がついたといわれている。47室にある「カピトリーノのヴィーナス(Venere Capitolina)」は、1666年から1670年頃にサンヴィターレ大聖堂近くで発見され、1752年に教皇ベネディクト14世によって美術館に寄贈された有名な彫像の一つ。
※瀕死のガリア人、ファウヌス(カピトリーニ美術館公式サイトより)
◆53室には深手を負って力尽きようとしている「瀕死のガリア人(Capitoline Galata)」が展示されている。その他にも、赤い大理石で造られた牧神「ファウヌス(Fauno)」、「鳩のモザイクの間(Sala delle Colombe)」、歴代の皇帝や著名な哲学者の彫刻の胸像が展示されている「諸皇帝の間」、「哲学者の間」などがある。
カピトリーニ美術館の出口
※カピトリーニ美術館出口の新宮
◆カピトリーニ美術館を全部見学し終わると、出口は新宮から出るように作られている。
カピトリーニ美術館へのアクセス ローマ
※カピトリーニ美術館に上がる階段
◆カピトリーニ美術館へ行くには、ローマのヴェネツィア広場にあるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂を正面に見て、右方向へ進むと階段があり(観光客が大勢上がっていく階段)、この階段を上がるとカピトリーニ美術館、カンピドーリオ広場、ローマ市庁舎がある。カピトリーニ美術館の西側には、コロッセオやフォロ・ロマーノが位置している。
※ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂があるヴェネツィア広場
◆カピトリーニ美術館へバスで行くには、ローマ・テルミニ駅前の五百人広場にあるバスターミナルから、ヴェネツィア広場を通る路線バス40番、64番、170番、Hのいずれかに乗り「ヴェネツィア広場」または「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂」で降りる。
※ローマ・テルミニ駅前の五百人広場にあるバスターミナル
◆バスチケット売り場は五百人広場にあり、テルミニ駅を背にして、右側に位置している(写真の建物)。バスチケットは、「BIG」という種類のチケットがバス、地下鉄、トラム(路面電車)など、すべての乗り物が1日乗り放題で便利。
※バス等のチケット売り場 ローマ・テルミニ駅五百人広場
◆その他「110 open」という2階建ての赤い観光バスも運行している。「110 open」は市内観光のツアーバス(有効期限内乗り降り自由)で、ヴェネツィア広場をはじめローマの有名観光スポットを網羅しているので、広いローマ観光には便利なバス。この「110 open」のチケットも五百人広場のチケット売り場で販売している。
※乗り物チケット「BIG」、※2階建て観光バスのチケット「110 open」
◆カピトリーニ美術館へは、地下鉄行くこともできるが、駅についてから、かなりの距離を歩かなければならない。地下鉄駅は、B線の「コロッセオ駅」で下車し、フォーリ・インペリアーリ通り(Via dei Fori Imperiali)をヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂方向へ歩き、記念堂を左に曲がり、まっすぐ歩くとカンピドーリオ広場に上がる階段がある(徒歩20〜30分)。
カピトリーニ美術館MAP
◆カピトリーニ美術館(Musei Capitolini)は、コンセルヴァトーリ博物館、カピトリーナ絵画館、新宮が併設されている美術館で、総称してカピトリーニ美術館と呼ばれている。同じ敷地には、ルネッサンスの巨匠ミケランジェロが設計したカンピドーリオ広場もある。カピトリーニ美術館は、ローマの7つの丘で最も高いカピトリーノの丘に建っている美術館なので、ローマが一望できるビュー・ポイントやフォロ・ロマーノが一望できるビュー・ポイントもある。カピトリーニ美術館の見どころや行き方を写真満載、MAP付で紹介。